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保守的 [考察]

20年近く前のこと、大学の英語の授業で指名された人が音読をするということがあった。
僕の近くの席の子が、conservativeの読み方が分からないと言うので、コンサーバティブだよと教えてあげた。
しかし、その子はなんとコンサベイティブと発音した。
折角教えたのに、僕はなぜそんなことをするのか理解できなかった。

時は流れて。
 僕は獣医師になってから今に至るまで、様々な新しい薬の情報に触れてきた。定番になったものもあるし、そうでないものもある。メーカーさんの資料はいいことばかり書いてあって、発売後想定外のことが起こることは珍しくなかった。
 新しい薬をすぐに患者に投与するかどうかは先生によって随分違って、個人輸入して国内発売前から使う先生がいるかと思えば、発売後何年か経って初めて使う先生もいる。
 前者の意見としては良いものはどんどん使うべしであり、治験の内容を信頼できるならなるほど尤もな意見である。後者の意見は実症例でのケースレポートや副作用報告が出揃ってからでも遅くはないというものであり、これはこれで大切な考え方であると思う。投与後に副作用が出たら?効果が無かったら?犬の薬だが猫には使えるのか?併用禁忌は?新しい薬であればあるほど情報は少ない。海のものとも山のものともわからないし、メーカーが嘘をついているかもしれない(あんまりないと思いますが・・)。一方で、自分で使い慣れている薬であれば対処はしやすいし、情報も多い。
 現代ではprogressiveであることが評価されがちだが、このようなconservativeな姿勢を忘れてはいけないと思う。
 (大学時代のあの子もある意味conservativeだったのかな・・自分の経験を重視したという意味において。)


 





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